消化管がん検診・スクリーニングの手引き
Ⅲ 胃がん検診・スクリーニング ❹ 胃内視鏡検診 ① 上部消化管検診のための内視鏡撮影法
樋口 和寿
1
,
貝瀬 満
1
,
後藤 修
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学付属病院消化器・肝臓内科
キーワード:
白色光観察
,
洗浄
,
左右アングル
Keyword:
白色光観察
,
洗浄
,
左右アングル
pp.909-917
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001861
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国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」の2019年がん統計予測によると胃癌の罹患数は大腸癌についで第2位であり,死亡数は肺癌,大腸癌に次いで第3位と,胃癌は依然として本邦における重要な癌腫の一つである.本邦では長らく胃X線造影検診が対策型胃がん検診の検査法として広く普及していたが,「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版」では内視鏡による胃がん検診が新たに推奨された.これを受けて,2016年に「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」が改正され,胃内視鏡検査が実施可能となり,多くの自治体で内視鏡胃がん検診が開始されている.このため,スクリーニング内視鏡の需要が増加しており,「見逃しの少ない」「効率的な」内視鏡観察が内視鏡医に求められている.内視鏡機器の技術開発によりnarrow band imaging(NBI)やlinked color imaging(LCI)をはじめとする画像強調内視鏡も開発され,病変の拾い上げだけでなく,拡大内視鏡も併用することで胃癌の質的診断・範囲診断も可能となっている.
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