特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
2.ICIによる肝障害(2)病理学的側面
原田 憲一
1
,
吉村 かおり
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系人体病理学
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
病理
,
急性肝炎
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
病理
,
急性肝炎
pp.1311-1317
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003203
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)関連による肝障害の基本的な病理組織像は急性肝炎の像であり,肉芽腫性の所見が出現する症例が多い.しかし,本邦の全国調査にて収集した肝組織検体の病理学的解析によると必ずしも急性肝炎を示さない症例も存在することが明らかとなった.実臨床では,びまん性の肝転移,BCG治療後の肉芽腫性肝炎,また他の被疑薬による薬物性肝障害や急性発症の自己免疫性肝炎との鑑別が重要であり,肝生検が施行される症例も多い.しばしば薬物性肝障害や急性発症の自己免疫性肝炎との組織学的鑑別は困難であり,CD4,CD8やインドールアミン酸素添加酵素の免疫染色が有用である.
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