特集 自己免疫性肝疾患とICI(免疫チェックポイント阻害薬)による肝障害
2.ICIによる肝障害(4)胆管炎
横出 正隆
1
,
塩川 雅広
1
,
川上 尚人
2
,
児玉 裕三
3
,
妹尾 浩
1
1京都大学大学院医学研究科消化器内科学
2近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
3神戸大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野
キーワード:
免疫関連有害事象
,
胆管炎
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
免疫関連有害事象
,
胆管炎
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.1326-1334
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003205
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は現在,さまざまな癌種において治療の中心的存在である一方で,ICIに特徴的な副作用である免疫関連有害事象(irAE)がしばしば治療継続の障害となっている.ICIによる胆管炎は発生頻度が0.05~0.7%と比較的まれな病態であるため,これまでの報告も症例報告が中心である.同胆管炎の臨床学的特徴は徐々に明らかになっているものの,現時点で確立された診断法や治療マネジメントがなく,臨床上の大きな問題となっている.現在,本邦において同胆管炎の全国調査が行われており,その解析結果が期待されている.本稿ではICIによる胆管炎の現時点における概念,診断や治療法,また,解決すべき課題について論じる.
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