増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る?
2章 急性の肝疾患
急激な肝酵素の上昇がみられた際の鑑別と検査オーダーの流れ
内野 康志
1
1日本赤十字社医療センター消化器内科
キーワード:
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
,
AST
,
アラニンアミノトランスフェラーゼ
,
ALT
,
肝逸脱酵素
,
急性肝障害
,
急性肝炎
Keyword:
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
,
AST
,
アラニンアミノトランスフェラーゼ
,
ALT
,
肝逸脱酵素
,
急性肝障害
,
急性肝炎
pp.1072-1077
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203416
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はじめに
日常臨床のさまざまな状況において,スクリーニング検査として行われる血液検査には,多くの場合,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase:AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase:ALT)などの肝機能検査が含まれる.そのため,消化器専門医,肝臓専門医以外の医師でも,肝機能検査値の異常に遭遇することは珍しくない.
本稿では,特に急激な肝酵素の上昇がみられた際の鑑別と検査オーダーについて概説する.なお,AST,ALTなどは本来,肝臓の“機能”を反映しているものではない.しかし,これらも含めて肝機能検査と総称するのが一般的となっており,他に該当する適切な用語もないため,本稿でも肝機能検査という用語を用いることとする.
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