特集 消化器がん薬物療法
第1部 各臓器がんにおける現在の標準治療と今後の展望 2章 胃癌 Ⅱ 切除不能胃癌に対する化学療法 3.課題と今後の展望
牧山 明資
1
1岐阜大学医学部附属病院がんセンター
キーワード:
高齢者
,
geriatric assessment
,
FGFR2b
Keyword:
高齢者
,
geriatric assessment
,
FGFR2b
pp.1052-1054
発行日 2024年8月9日
Published Date 2024/8/9
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003148
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わが国の高齢化率は世界的に見ても上位にあり,胃癌に限った場合でも高齢者の胃癌が増加している現況である.高齢者は若年者と比べるとなんらかの脆弱性を有している場合が多く,化学療法を実施する場合の障壁となる.切除不能進行胃癌を対象としたこれまでの臨床試験においては,高齢者の登録数は限られた症例数であったり,登録された高齢者は全身状態が良好なため実臨床で診療する高齢者とは患者背景が異なるといった問題点が存在している.「胃癌治療ガイドライン」では,高齢の切除不能進行・再発胃癌症例では,患者の状態を慎重に評価したうえで,状態良好(fit)であれば,化学療法を行うことを強く推奨する.それ以外の場合(vulnerable/unfit)は状況が多彩であるため,明確な推奨ができないとの推奨文が記載されるにとどまっており,具体的な薬物療法の種類に関しては明確な記載がない状況である.
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