特集 内科医が知っておくべき,肛門疾患の基礎知識
13.便失禁(肛門括約筋不全など)
高橋 知子
1
1亀田総合病院消化器外科
キーワード:
便失禁
,
分娩時肛門括約筋損傷
,
肛門管超音波
,
肛門内圧検査
Keyword:
便失禁
,
分娩時肛門括約筋損傷
,
肛門管超音波
,
肛門内圧検査
pp.459-465
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002996
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便失禁はInternational Consultation of Incontinence(国際失禁会議)により「自らの意思に反して液状または固形の便が漏れ,社会的,衛生的に問題となる状態」と定義されており,quality of lifeを大きく損ねる症候である.多くの症例は内科的治療にて改善が期待できる.問診において便失禁の種類や頻度,原因となる既往の有無や服薬状況を聴取し,肛門病変や糞便塞栓,失禁関連皮膚炎の有無を肛門診察で確認する.治療の第一は便の性状の適正化であり,生活習慣と食生活の改善,投薬により行うことができる.これらで満足のいく結果が得られない,または重度の肛門括約筋損傷を疑う所見や直腸脱などの所見がある場合は専門病院への紹介を検討する.
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