特集 サルコペニアと消化器疾患
2.サルコペニアと腫瘍性疾患(胃・大腸・肝・胆道・膵臓)(4)サルコペニアと胃癌外科治療
加野 将之
1
,
鍋谷 圭宏
1,2
,
荒井 文乃
2
,
菊池 夏希
2
,
大竹 慶尭
2
1千葉県がんセンター食道・胃腸外科
2千葉県がんセンター栄養サポートチーム(NST)
キーワード:
サルコペニア
,
サルコペニア肥満
,
骨格筋量
,
運動療法
,
栄養療法
Keyword:
サルコペニア
,
サルコペニア肥満
,
骨格筋量
,
運動療法
,
栄養療法
pp.294-300
発行日 2024年2月20日
Published Date 2024/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002961
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術前のサルコペニア(SP),さらに高BMIを合併したSP肥満は胃癌術後の短期・長期予後不良因子である.しかし,これまでの多くの研究は低骨格筋量だけでSPと定義しており,今後は筋力や身体機能の評価も加えて診断されたSPの胃癌手術成績への影響が検討されるべきである.術後は,早期に減少する骨格筋量の低下(SPへの進行)の予防に努める必要があるが,低侵襲手術が有利とのエビデンスは得られていない.術後合併症の減少,根治性を担保した胃温存術式,周術期における骨格筋量の測定などの身体評価や適切な運動・栄養療法介入などの総合的な管理が重要である.アウトカム指向のESSENSEプロジェクトの理念に基づく周術期管理はSP対策として望ましく,チーム医療での予後向上のエビデンス確立が期待される.
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