Japanese
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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[治療]
偶発症の予防と対策 うまくいかない場合のトラブルシューティングと術中・術後偶発症への対応
Troubleshooting during duodenal EMR/ESD
布袋屋 修
1
,
岡本 陽祐
1,2
,
河合 優佑
1
,
岡村 喬
1
,
落合 頼業
1
,
小田切 啓之
1
,
菊池 大輔
1
,
高澤 豊
3
,
橋本 雅司
4
Shu Hoteya
1
,
Yosuke Okamoto
1,2
,
Yusuke Kawai
1
,
Takashi Okamura
1
,
Yorinari Ochiai
1
,
Hiroyuki Odagiri
1
,
Daisuke Kikuchi
1
,
Yutaka Takazawa
3
,
Masaji Hashimoto
4
1虎の門病院消化器内科(胃腸)
2東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科
3虎の門病院病理診断科
4虎の門病院消化器外科(肝胆膵)
キーワード:
十二指腸EMR/ESD
,
偶発症
,
トラブルシューティング
Keyword:
十二指腸EMR/ESD
,
偶発症
,
トラブルシューティング
pp.814-823
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000778
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はじめに
他臓器の表在性腫瘍と同様,表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)も粘膜内病変であれば,リンパ節転移の可能性が少なく,内視鏡的切除のみで根治できる可能性があり,とりわけ,侵襲度の高い外科切除(膵頭十二指腸合併切除;PD)が避けられる場合は患者のQOLに寄与するメリットは多大なものである。近年ではcold snare polypectomy(CSP)やunderwater EMR(UEMR)の成績についての報告1, 2)も蓄積され,その安全性と簡便さから導入する施設も増加してきている。一方ESDは,十二指腸の解剖学的理由,スコープ操作性の不良さから高い内視鏡技術が要求され,また,十二指腸壁全体の薄さ,切除後潰瘍底への膵液や胆汁の曝露,切除後に残る筋層が薄いことなど十二指腸特有の条件により,偶発症の発生頻度も他臓器に比べ高く,重篤となりやすい3)。そのため,ESDは,high volume centerで手技に習熟した術者によって施行されることがガイドライン4)でも推奨されており,いまだ標準化されていないのが現状である。本稿では十二指腸非乳頭部表在性腫瘍に対するEMR/ESDの困難病変への対応と偶発症対策につき解説する。
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