特集 消化管出血のマネジメントが変わっている? ―最新情報と診療の実際
2.各論(5)大腸憩室出血に対する治療ストラテジー
岸埜 高明
1
,
青木 智則
2
,
永田 尚義
3
1市立奈良病院消化器内科
2東京大学医学部附属病院消化器内科
3東京医科大学病院内視鏡センター
キーワード:
大腸憩室出血
,
クリップ直達法
,
クリップ縫縮法
,
バンド結紮法
,
stigmata of recent hemorrhage
Keyword:
大腸憩室出血
,
クリップ直達法
,
クリップ縫縮法
,
バンド結紮法
,
stigmata of recent hemorrhage
pp.1403-1411
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002809
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大腸憩室出血は再発しやすく,動脈塞栓術や手術を要する重症例もあるため,臨床上重要な疾患である.一方,本疾患の治療ストラテジーにおいては,大規模疫学研究や介入研究はきわめて少なかった.そこで,急性下部消化管出血に関する多施設大規模コホート研究(CODE BLUE-J Study)を実施し,大腸憩室出血に対する内視鏡的止血術の治療成績を検討した.その結果,「バンド結紮法はクリップ法と比べ,早期・後期再出血を抑制する」「クリップ直達法は縫縮法と比べ,早期・後期再出血を抑制する」「活動性出血の有無や出血部位に応じて,バンド結紮法とクリップ法の使い分けが許容される」などの新たな知見を見出した.
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