特集 ここまで進んだ肝硬変診療
巻頭言
清水 雅仁
1
1岐阜大学大学院消化器内科学
pp.1237-1238
発行日 2023年8月20日
Published Date 2023/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002772
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肝硬変の診療および研究は大きな転換期を迎えているが,その背景には肝硬変の成因の変化と,さまざまな合併症に対する診断法および治療法の開発がある.肝硬変の成因としては,抗ウイルス療法の進歩によってHCV(hepatitis C virus)感染によるものが減少する一方,アルコールやNASH(non—alcoholic steatohepatitis)に関連するものが増加している.肝硬変の合併症に関する新規薬剤の登場によって,治療の選択肢も広がっているが,適切な薬剤を用いるためには,肝硬変の成因や病態を正しく評価・理解する必要がある.また肝硬変の基本的治療である栄養療法のブラッシュアップや,肝硬変患者に対する安全性と有効性を担保した運動療法(肝臓リハビリテーション)の開発も求められている.
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