Japanese
English
今月の主題 食道運動障害の診断と治療
序説
食道運動障害の診断と治療
Introduction
栗林 志行
1
Shiko Kuribayashi
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
キーワード:
食道運動障害
,
食道内圧検査
,
conventional manometry
,
high-resolution manometry
,
シカゴ分類
Keyword:
食道運動障害
,
食道内圧検査
,
conventional manometry
,
high-resolution manometry
,
シカゴ分類
pp.1187-1194
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203706
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はじめに
嚥下をすると食道では上部から下部に伝播する蠕動波(一次蠕動波)が生じ,食道内のボーラスが上部から下部に運ばれる.また,通常は食道胃接合部(esophagogastric junction ; EGJ)は高圧帯を形成しており,胃食道逆流を防いでいるが,嚥下に伴い一過性にEGJが弛緩することにより,食道内を運ばれてきたボーラスが食道から胃に流入することができる.この一連の運動が障害される疾患が,食道運動障害である.食道アカラシアが代表的な疾患であるが,障害される部位や障害の内容が異なる食道運動障害もある.
後述する高解像度食道内圧検査(high-resolution manometry ; HRM)の登場とHRMを用いた食道運動障害の分類であるシカゴ分類が提唱され,食道運動障害の診断は大きく変化した.また,内視鏡的筋層切開術(per-oral endoscopic myotomy ; POEM)が開発され,食道運動障害が内視鏡で治療できるようになり,食道運動障害はパラダイムシフトを遂げている.
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