特集 GERD診療Update 2023
12.GERDガイドライン―海外と日本の比較
沢田 明也
1
,
藤原 靖弘
1
1大阪公立大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
胃食道逆流症
,
ガイドライン
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症
Keyword:
胃食道逆流症
,
ガイドライン
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症
pp.1210-1218
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002754
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胃食道逆流症(GERD)はcommon diseaseの一つで,日本を含む各国の学会より日常診療の指針となる診療ガイドラインが発行されている.地域ごとの医療体制が反映され,それぞれに特色がみられる.本邦では世界に先駆けてカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であるボノプラザンが上市され,最新のガイドライン「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021」(改訂第3版)で従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)との使い分けについてステートメントが作成されている.最新の日米の診療ガイドラインを比較すると,American College of GastroenterologyのガイドラインではGERDに機能性食道疾患(逆流過敏性食道や機能性胸やけ)を含めないことが明確にされ,診断にはまず内視鏡検査ではなくPPIテストを用いることが推奨されている点が本邦のガイドラインと異なる.今後米国でもP-CABが使用されるようになれば本邦と同様にPPIとの使い分けについてガイドラインで言及されると考えられる.
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