特集 GERD診療Update 2023
7.Barrett食道
眞部 紀明
1
,
松枝 和宏
2
,
中村 純
1
,
武家尾 恵美子
1
,
小西 貴子
1
,
春間 賢
3
1川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)
2倉敷中央病院消化器内科
3川崎医科大学総合内科学2
キーワード:
GERD
,
Barrett食道
,
診断
,
疫学
Keyword:
GERD
,
Barrett食道
,
診断
,
疫学
pp.1172-1179
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002749
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Barrett食道(BE)の臨床的意義は発癌リスクを有する点であり,近年,欧米の白人男性では食道腺癌(EAC)の頻度が増加し50%を超え注目されるようになった.BEの定義については,近年,国際的なコンセンサスが得られたものの,その有病率は不明な点が多い.わが国のshort—segment BE (SSBE)の頻度は15.8%(95%CI 15.0~29.5),long—segment BE (LSBE)の頻度は0.3%(95%CI 0.3~0.7)で,LSBEからの発癌頻度は年率1.2%とされている.組織学的にdysplasiaの程度を評価することは難しい場合があるが,治療指針決定にはきわめて重要である.BEのサーベイランスは,定期的な内視鏡観察が行われるが,high grade dysplasiaに対してはより短い検査間隔が推奨される.
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