Japanese
English
特集 GERDを極める
[各論 病態と診断]
食道運動機能からみたGERDの病態
Pathophysiology of GERD in terms of esophageal motility
眞部 紀明
1
,
武家尾 恵美子
1
,
小西 貴子
1
,
中村 純
1
,
勝又 諒
2
,
綾木 麻紀
1
,
藤田 穰
1
,
鎌田 智有
2
,
畠 二郎
1
,
春間 賢
3
Noriaki Manabe
1
,
Emiko Bukeo
1
,
Takako Konishi
1
,
Jun Nakamura
1
,
Ryo Katsumata
2
,
Maki Ayaki
1
,
Minoru Fujita
1
,
Tomoari Kamada
2
,
Jiro Hata
1
,
Ken Haruma
3
1川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)
2川崎医科大学健康管理学
3川崎医科大学総合内科学2
キーワード:
GERD
,
食道運動
,
病態
Keyword:
GERD
,
食道運動
,
病態
pp.589-596
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000728
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はじめに
胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,日常診療でしばしば遭遇する疾患であり,有病率は8~33%と推定されている1)。GERDのうち食道粘膜傷害を認める症例は,10~15%に過ぎずその多くはロサンゼルス分類Grade AあるいはBの軽症型といわれている。したがって,GERD症状が長期にわたって持続する場合や警告症状を認める場合には上部消化管内視鏡検査が必須といえるが,それ以外の場合にはその有用性は限られる。一方,GERDの臨床像は多彩であり,その病態も多因子が関与しているため,治療奏功率は患者ごとに異なり,また同一患者においても経時的に変化することが知られており,その臨床経過は非常に複雑といえる2)。したがって,理想的なGERDの治療戦略とは,個々の病態に沿った治療であり,個別化医療を提供することといえる。
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