特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
12.急性膵炎におけるAbdominal Compartment Syndrome (ACS)
白井 邦博
1
1兵庫医科大学救急災害医学
キーワード:
腹部コンパートメント症候群
,
腹腔内高血圧症
,
腹腔内圧
,
管理アルゴリズム
,
外科的減圧術
Keyword:
腹部コンパートメント症候群
,
腹腔内高血圧症
,
腹腔内圧
,
管理アルゴリズム
,
外科的減圧術
pp.1100-1106
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002724
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急性膵炎が重症化すると,腹腔内圧(IAP)が上昇することで,胸腹部の臓器障害/不全を発症することがある.この病態を腹部コンパートメント症候群(ACS)と称し,発症すると死亡率や合併症率が高くなる.このため,ACSに対する管理アルゴリズムに準じて,IAP≧12 mmHgから内科的治療を開始することでIAPの低下を試みるが,IAP>20 mmHgおよび新たな臓器不全を発生した場合は,外科的減圧術を考慮する.重要なことは,ACSの病態を理解し,IAPのモニタリングが必要な症例に対して,ACSを発症させないよう予防すること,発症した場合は速やかに治療によってIAPを低下させて,臓器不全の進展を制御することである.
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