特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
6.セリアック病
松本 主之
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
セリアック病
,
グルテン関連疾患
,
炎症性腸疾患
Keyword:
セリアック病
,
グルテン関連疾患
,
炎症性腸疾患
pp.688-693
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002635
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セリアック病は,小麦に含有されるグルテンに対する免疫反応を介した慢性炎症性腸疾患である.欧州における有病率は比較的高いが,本邦ではきわめてまれな疾患と考えられている.発症にはヒト白血球抗原領域を中心とした遺伝的要因が関与し,種々の基礎疾患を有する患者が多いのも特徴である.定型的セリアック病では下痢,体重減少の臨床症状とともに組織学的な小腸絨毛萎縮がみられるが,消化管外症状を主徴とする非定型例や血清反応陽性にとどまる潜在症例も存在する.無グルテン食が治療の基本であり奏功するものの,長期的には小腸潰瘍性病変や悪性腫瘍の合併が問題となる.
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