特集 高齢者における消化器診療
高齢者における代表的消化器疾患とその治療
アレルギー性消化管疾患
小阪 聡
1
,
田中 史生
1
,
藤原 靖弘
1
1大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
アレルギー
,
好酸球性食道炎
,
好酸球性胃腸炎
Keyword:
アレルギー
,
好酸球性食道炎
,
好酸球性胃腸炎
pp.865-869
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_865
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Summary
▪消化管の代表的アレルギー性疾患は好酸球性食道炎・好酸球性胃腸炎であるが,アレルゲンの同定は困難である.
▪好酸球性食道炎の診断には食道の炎症による症状が必須であり,症状は嚥下障害,つかえ感が代表的である.
▪健診内視鏡で無症候性食道好酸球浸潤が発見されるが,好酸球性食道炎と同様の経過をたどるかはわかっていない.
▪好酸球性食道炎の治療目的は症状の改善,食道の線維性狭窄の予防である.第一選択はプロトンポンプ阻害薬(PPI)であり,抵抗例では局所ステロイド治療が奏効する.
▪好酸球性胃腸炎では小腸や大腸で好酸球性炎症をきたす頻度が高く,症状は腹痛や下痢が多い.
▪好酸球性胃腸炎ではステロイドが多くの例で著効するが,再燃例が多い.
© Nankodo Co., Ltd., 2021