特集 黄疸を極める
3.肝細胞性黄疸(3)薬物性肝障害と黄疸
楳村 敦詩
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科病態分子薬理学
キーワード:
薬物性肝障害
,
黄疸
,
胆汁うっ滞
,
トランスポーター
Keyword:
薬物性肝障害
,
黄疸
,
胆汁うっ滞
,
トランスポーター
pp.271-277
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002537
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薬物性肝障害は,劇症化し肝移植を要する場合や,死に至るケースもあることから重要な薬物有害反応であるが,その発症機序の多くは未だ不明である.薬物そのもののみならず活性中間体の生成能とその解毒能にも依存し,個人の遺伝要因や置かれた環境要因により変動する.実際には薬物相互作用が関与するため,毒性発現の予測やメカニズムの評価は非常に困難である.黄疸をきたす胆汁うっ滞型の薬物性肝障害の機序についても不明点が多いが,近年は肝細胞に発現するトランスポーター群の関与が着目されている.血液側から胆管側への胆汁,薬物および代謝物の輸送を担うトランスポーターの機能障害は,黄疸,すなわち高ビリルビン血症に繫がると考えられる.
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