今月の主題 酸化ストレスマーカーと疾患・病態
注目される酸化ストレスマーカー
ビリルビン代謝物(バイオピリン)
山口 登喜夫
1
,
塩地 出
2
,
杉本 昭子
3
Tokio YAMAGUCHI
1
,
Izuru SHIOJI
2
,
Akiko SUGIMOTO
3
1東京医科歯科大学難治疾患研究所遺伝生化学分野
2株式会社シノテスト研究開発部
3東京医科歯科大学生体材料工学研究所分子設計分野
キーワード:
バイオピリン
,
ビリルビン
,
酸化ストレスマーカー
Keyword:
バイオピリン
,
ビリルビン
,
酸化ストレスマーカー
pp.145-152
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100109
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〔SUMMARY〕 活性酸素やフリーラジカルによる酸化ストレスは,老化,動脈硬化,癌など多くの疾患に関与している重要な因子である.さらに現代は,様々な種類のストレスがわれわれの身辺を取り囲んでいる.このような心理・社会的ストレスによっても生体のホメオスタシスを乱され,特に細胞内レドックス制御の破綻により酸化ストレスを生じ,病態発現の引き金となっている可能性が高い.そこで,ヘム代謝の研究過程で開発した抗ビリルビン抗体を用いて,酸化ストレス時に生じるバイオピリン(ビリルビン酸化生成物質)を“酸化ストレスマーカー”として利用し,その生理学的および臨床的意義をストレスの関連した分野,例えば外科,循環器内科,精神神経内科,医薬品開発と市販後医薬品調査など様々な領域で検討している.〔臨床検査 49:145-152,2005〕
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