特集 外来で行う消化器がん薬物療法のコツ ― 専門医からのアドバイス
巻頭言
朴 成和
1
1東京大学医科学研究所附属病院腫瘍・総合内科
pp.1395-1396
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002382
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本邦では,現在2人に1人が「がん」に罹患し,3人に1人が「がん」で死亡するといわれています.このことは,周術期の補助化学療法を含めると,日本人の少なくとも3人に1人以上が一生に一度は抗がん薬治療を受けることを意味し,薬物療法を適切に行うことはきわめて重要であることはいうまでもありません.しかし,抗がん薬の効果や副作用の出方には個人差があります.個々の患者に対して,大きな効果が期待できる抗がん薬を選択し,重篤な副作用が回避できる個別化医療が理想ですが,実際には消化器がんでは個別化医療はきわめて限定されており,ほとんどの薬物療法は多くの患者が参加した臨床試験結果に基づいて確率論的に「最善である」と考えられる治療法を選択せざるをえません.
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