特集 病院のBCP
巻頭言
神野 正博
1
1社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院
pp.949
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102407
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2011年3月の東日本大震災を契機に,また,今後高い確率で発生が想定される首都圏直下型地震,東海地震,東南海地震,南海地震の被害予測などからも,これまで以上に病院のBCP(Business Continuity Plan)策定の重要性が問われている.なぜならば,先の大震災を目のあたりした時,国民は医療こそが重要なセーフティーネットであることに改めて気づき,そして大きな期待を寄せるようになったからに他ならない.
各々の病院は,被災地においては安心の柱であると同時に,被災者ともなる.建物ばかりではなく,ライフラインの途絶,ロジスティックの破綻,情報の途絶,そして医療スタッフそのものの被災など,病院機能に致命的なダメージを受けることもある.被災しながらも,医療という事業を一刻も早く復旧させ,継続するBCPの早急な策定は,公私にかかわらず,国民から与えられた病院の社会的責任であると認識したい.
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