特集 消化器領域における免疫チェックポイント阻害薬の現状・今後の展望
巻頭言
朴 成和
1
1国立がん研究センター中央病院消化管内科
pp.445-445
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001132
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抗がん薬の開発は,21 世紀に入って多くの分子標的薬が臨床導入されたが,最近では免疫チェックポイント阻害薬が主役であるといえる.これまで消化器がん領域においてもさまざまな分子標的薬の開発が試みられたが,ほかのがん種にみられるようなdriver mutation とマッチした薬剤のように劇的な効果のある分子標的薬は開発されていない.この一因として,消化器がんでは,喫煙やHelicobacter pylori,肝炎ウイルス感染などの長期間におよぶ環境因子が関与した複雑な発がん過程をとること,その結果腫瘍内でのheterogeneityが存在することが考えられる.実際に消化器領域のがんでは,tumor mutationburden が比較的多い.
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