食道疾患の診療
Ⅲ 食道癌の診療 5 食道癌の危険因子
古江 康明
1
,
堅田 親利
2
1北里大学医学部消化器内科学
2京都大学医学部附属病院腫瘍内科
キーワード:
食道癌
,
ALDH2ヘテロ不活性型
,
アセトアルデヒド
,
多発ヨード不染帯
Keyword:
食道癌
,
ALDH2ヘテロ不活性型
,
アセトアルデヒド
,
多発ヨード不染帯
pp.1069-1073
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002309
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食道癌の患者では,食道粘膜に多発する異型上皮を認めることがあり,ヨード色素内視鏡検査では多発ヨード不染帯として視認することができる.上部消化管に複数の腫瘍性変化が発生することは,アルコールやタバコの煙などの発がん物質に繰り返しさらされることに関連する「Field cancerization」という概念で説明されてきた.2009年10月に世界保健機関(World Health Organization)の下部組織である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer;IARC)は,エタノールの最初の代謝産物であるアセトアルデヒドをGroup 1の発がん物質と認定しており,現在に至るまでさまざまな食道癌の危険因子が解明されてきた.本稿では,食道癌の危険因子であるアセトアルデヒドと食道癌の関係について概説する.
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