食道疾患の診療
Ⅱ 胃食道逆流症の診療 4 胃食道逆流症の薬物療法
小池 智幸
1
,
伊丹 英昭
1
,
大原 祐樹
1
,
齊藤 真弘
1
,
正宗 淳
1
1東北大学病院消化器内科
キーワード:
胃食道逆流症(GERD)
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P―CAB)
,
ボノプラザン
,
GERD診療ガイドライン
Keyword:
胃食道逆流症(GERD)
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P―CAB)
,
ボノプラザン
,
GERD診療ガイドライン
pp.1029-1038
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002302
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胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD)は,胃食道逆流により引き起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患であり,食道粘膜傷害を有する「逆流性食道炎」と症状のみを認める「非びらん性逆流症(non―erosive reflux disease;NERD)」に分類され,胸やけと呑酸が定型症状である(図1).GERD患者の長期管理の主要目的は,症状のコントロールとquality of life(QOL)の改善であり,酸の胃食道逆流を防ぐ治療はGERD患者のQOLを改善する.GERD症状が消失した場合には低下したQOLは健常者のレベルまで改善する.なお,1週間に1回以上のGERD症状発現は,QOLに対して悪影響を与え,薬物療法において症状の消失効果が高くかつ速やかな薬剤のほうがより高いQOLの改善が得られることが報告されている.
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