特集 ウイルス肝炎制御時代の肝発癌
1.ウイルス肝炎制御をめぐる疫学と最新動向(4)わが国における肝硬変成因の動向
榎本 平之
1
,
飯島 尋子
1
1兵庫医科大学消化器内科学(肝胆膵内科)
キーワード:
肝硬変
,
ウイルス性肝炎
,
肝炎ウイルス対策
,
成因
,
全国調査
Keyword:
肝硬変
,
ウイルス性肝炎
,
肝炎ウイルス対策
,
成因
,
全国調査
pp.888-893
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002266
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わが国の慢性肝疾患では,ウイルス性肝炎に起因する症例が多数を占めてきた.そのため国家事業としての肝炎対策が,世界に先駆けて2000年代から行われてきた.現在では治療薬の進歩によって,ほとんどの症例で肝炎ウイルスの制御が可能となった.このような状況にあって,わが国における慢性肝疾患の疾患構造は大きな変化を遂げている.われわれは2018年に肝硬変の成因に関する全国調査を行い,肝炎ウイルスに起因する肝硬変が減少し,代わって非ウイルス性肝硬変が増加していることを明らかにした.本稿では肝癌の背景となる肝硬変の成因変化について,肝炎治療の進歩やわが国の肝炎対策も含めて概説したい.
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