Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 286, Issue 10 （September 2023）

医学のあゆみ 286巻10号（2023年9月発行）

Japanese English

第1土曜特集人生100年時代を見据えて　がんと生活習慣病（心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD）を再考する──共通リスク因子，予防・治療の最新アプローチ

慢性疾患とがん

MAFLDとがん -――SGLT2阻害薬の可能性 MAFLD and cancer ――A potential of SGLT2 inhibitors 堤翼 ¹ , 中野暖 ¹ , 川口巧 ¹ Tsubasa TSUTSUMI ¹ , Dan NAKANO ¹ , Takumi KAWAGUCHI ¹ ¹久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門キーワード： MAFLD（metabolic dysfunction associated fatty liver disease） , crown-like structure（CLS） , cancer-associated adipocytes（CAA） , SGLT2阻害薬 Keyword: MAFLD（metabolic dysfunction associated fatty liver disease） , crown-like structure（CLS） , cancer-associated adipocytes（CAA） , SGLT2阻害薬 pp.804-809

発行日 2023年9月2日 Published Date 2023/9/2

DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610804

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参考文献 Reference

　脂肪肝は成人の約3割が罹患するcommon diseaseであるため，合併症リスクの高い患者を効率的に囲い込む必要がある．これまでの非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）/非アルコール性脂肪肝炎（NASH）の診断基準には課題があり，2020年に国際エキスパートパネルが新疾患概念であるMAFLD（metabolic dysfunction associated fatty liver disease）を提唱した．MAFLDは代謝異常を組み入れ基準とし，他の肝疾患の併存も可能である．MAFLDはNAFLDよりも肝線維化や肝内外の発がんと関連することが明らかになってきている．さらに，糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬の抗腫瘍効果が基礎的・臨床的研究で明らかになってきている．