特集 Common disease となった潰瘍性大腸炎の現状と診療のコツ
7 .チオプリン製剤とは何か? どのような症例にどう使うのか?
志賀 永嗣
1
,
角田 洋一
1
,
正宗 淳
1
1東北大学病院消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
チオプリン製剤
,
白血球減少
,
NUDT15遺伝子多型
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
チオプリン製剤
,
白血球減少
,
NUDT15遺伝子多型
pp.779-785
発行日 2022年6月20日
Published Date 2022/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002239
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チオプリン製剤は寛解維持を目的とした薬剤であり,ステロイドによる寛解導入を繰り返すあるいはステロイドを減量できない「ステロイド依存例」が良い適応である.良好な寛解維持効果を示すものの,効果発現までに時間を要するため,ステロイドの漸減中に開始する.副作用は多岐にわたり,重篤なものが少なくない.しかし,NUDT15遺伝子多型検査が保険承認されたことで,リスクホモ(Cys/Cys型)の症例では使用を回避し,それ以外の症例では投与量を最適化することが可能となった.一方で,すべての副作用を予測できるわけではなく,長期継続による副作用(感染症や悪性腫瘍)の問題もあり,導入に際して長期的な治療戦略を考えておきたい.
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