特集 胆石症の診療方針
11.関連疾患(2)胆道ジスキネジア
竹中 完
1
,
山崎 友裕
1
,
大本 俊介
1
,
三長 孝輔
1
,
鎌田 研
1
,
工藤 正俊
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
胆囊ジスキネジア
,
乳頭括約筋機能異常
,
機能性消化管障害
Keyword:
胆囊ジスキネジア
,
乳頭括約筋機能異常
,
機能性消化管障害
pp.571-575
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002184
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
胆道ジスキネジアは胆囊,総胆管,十二指腸乳頭部に至る胆道系に器質的な病変が認められないにもかかわらず,右季肋部痛を主体とする胆石症様の腹部症状を呈する病態であり,Rome Ⅳ診断基準における機能性消化管障害の病型分類の“機能性胆囊・Oddi乳頭括約筋障害(gallbladder and sphincter of Oddi disorder)”にあたる.問診により胆道痛の定義を満たすが,胆石,総胆管結石や他の器質的疾患を認めない症例のなかで,胆囊がある症例にgallbladder disorderを疑い,胆囊摘出後で血液検査にて肝酵素逸脱,もしくは画像検査にて胆管拡張を認める症例に胆道型乳頭括約筋機能異常(SOD)が疑われる.食事療法や生活習慣改善でも症状の改善が認められない場合に薬剤投与治療が施行され,薬物療法が無効な症例には内視鏡的乳頭切開術がおもに行われる.本病態は疑わなければ絶対に診断できない病態であるため,まず疑うことができるか,が最も重要なポイントとなる.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.