特集 進化する画像診断 ―下部消化管領域
1.小腸内視鏡診断の現状と課題(3)小腸カプセル内視鏡 ―第一選択の小腸内視鏡
藤森 俊二
1,2
,
濱窪 亮平
1,2
,
星本 相理
2
,
西本 祟良
2
,
大森 順
2
,
岩切 勝彦
2
1日本医科大学千葉北総病院消化器内科
2日本医科大学消化器内科学
キーワード:
カプセル内視鏡
,
原因不明消化管出血
,
小腸内視鏡
Keyword:
カプセル内視鏡
,
原因不明消化管出血
,
小腸内視鏡
pp.371-377
発行日 2022年3月20日
Published Date 2022/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002145
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カプセル内視鏡は苦痛なく全小腸の内視鏡観察を可能にした画期的なモダリティである.小腸スクリーニングや,小腸既知疾患の経過観察に有用性が高い.原因不明消化管出血の出血源診断に高い有用性が認められ,欧米のガイドラインでは原因不明消化管出血に対する第一選択検査がカプセル内視鏡となっている.本邦では,上下部消化管内視鏡検査で観察範囲に出血源を同定できない消化管出血を原因不明消化管出血と定義し,ガイドラインが作成された.カプセル内視鏡は造影CT陰性の原因不明消化管出血では,その非侵襲性からとくに有用性が高い.たとえカプセル内視鏡で出血源を指摘できなくても,再出血時などに再びカプセル内視鏡を施行して出血源を指摘できることは少なくない.侵襲性の低いカプセル内視鏡を繰り返し施行することは有用であり,検査が必要と考えられるならば反復検査を躊躇すべきではない.
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