連載 薬の知識
ピュアスタット®(吸収性局所止血材)
春日 健吾
1
,
佐藤 圭吾
1
,
田中 寛人
1
,
保坂 浩子
1
,
栗林 志行
1
,
浦岡 俊夫
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
キーワード:
ピュアスタット
,
自己組織化ペプチド
,
止血材
Keyword:
ピュアスタット
,
自己組織化ペプチド
,
止血材
pp.341-343
発行日 2022年2月20日
Published Date 2022/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002127
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,消化管腫瘍に対する内視鏡切除法が大きく進歩している.とくに,従来では外科手術が必要であった,大きな病変に対しても切除可能な粘膜下層剝離術(ESD)が早期癌の治療選択の一つとして確立,普及してきているが,内視鏡的粘膜切除術(EMR)と比較して大きい病変が一括切除できる一方で偶発症の発生率が高いと報告されている.ESDは観血的手技であるため,術中出血に対する止血の困難例や術後に認められる後出血例などの偶発症が発生することがある.ESD後出血は緊急内視鏡による対処を必要とし,時に外科手術が必要な場合もある.医師・医療,患者にとって避けたい偶発症の一つであり,より侵襲性の低い止血方法が求められている.今回,自己組織化ペプチド溶液(ピュアスタット®)(図1)が消化管内視鏡における止血材として新しく薬事承認された.本稿では,ピュアスタットについて概説する.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.