特集 高齢者の消化器疾患 ― 適切な診断法と治療法を目指して
8.高齢者IBD
松浦 稔
1
,
久松 理一
1
1杏林大学医学部消化器内科学
キーワード:
高齢者IBD
,
高齢発症IBD
,
併存疾患
,
日和見感染
,
悪性腫瘍
Keyword:
高齢者IBD
,
高齢発症IBD
,
併存疾患
,
日和見感染
,
悪性腫瘍
pp.183-190
発行日 2022年1月20日
Published Date 2022/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002090
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炎症性腸疾患(IBD)の患者数の増加や人口の高齢化に伴い,近年,高齢IBD患者に遭遇する機会が増えている.高齢IBD患者では宿主の免疫能の低下に加え,さまざまな併存疾患やリスク因子を有する場合が多く,易感染性や発癌リスク,多剤併用(ポリファーマシー),フレイルなど高齢者の特性を理解したうえで治療に当たることが重要である.とくに高齢で発症したIBD患者(高齢発症IBD)では,若年で発症して高齢化したIBD患者(高齢化IBD)とは臨床経過やその特徴が異なることが報告されている.今後,本邦でも急速に増加することが予想される高齢IBD患者に対してより良いIBD診療を実践していくためにも,高齢者に特化したエビデンスの構築が求められる.
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