3 基幹病院におけるOLSの構築と拡大

How to begin and expand “Osteoporosis Liaison Service” at Regional Central Hospitals

要旨　骨粗鬆症は，適切な治療により状態改善を期待できる疾患である．骨折の危険性が軽減され，また，患者が活動レベルを高く保つことは，併存する生活習慣病やがんの病状にも好影響を与える可能性がある．骨粗鬆症リエゾンサービス（OLS）は主に整形外科の患者を対象に展開されてきたが，基幹病院の高齢入院患者に骨粗鬆症の増悪因子となる生活習慣病があり，既存椎体骨折をもつものも多い．近年，骨粗鬆症の治療対象患者の選定のためのOLSや骨粗鬆症の増悪因子に注目したOLSが始まっている．基幹病院の各部署で患者の特性に応じたOLSが展開され，対象となった大勢の患者の治療が地域の治療体制で引き継がれる態勢づくりを検討したい．