Japanese
English
特集 大腸の炎症を内視鏡で診る
[IBD以外の大腸の炎症性疾患の内視鏡診療]
虚血性大腸炎
Ischemic colitis
猿田 雅之
1
Masayuki Saruta
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
区域性大腸炎
,
左側腹部痛
,
血便
Keyword:
区域性大腸炎
,
左側腹部痛
,
血便
pp.1541-1544
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001747
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はじめに
虚血性大腸炎は,主幹動静脈に明らかな閉塞を伴わない,腸管の可逆的な微小循環障害により発症する一過性かつ限局性の大腸粘膜の虚血性病変で,1963年にBoley1)らにより初めて報告された。1966年にMarstonら2)は,Boleyらの報告と同様の症状と特徴的なX線像を示す16症例を虚血性腸炎(ischemic colitis)とし,臨床経過により一過性型(transient type),狭窄型(stricture type),壊疽型(gangrenous type)の3型を報告した。発生頻度は不明であるが,吉田ら3)の疫学調査では注腸X線検査を施行した4,900例のうち12例(0.24%)に虚血性大腸炎を認めたと報告している。好発年齢は平均60歳前後で,男女比は3:7と女性に多い4)が,動脈硬化などの基礎疾患がない若年者でも発症しうる。大腸内視鏡検査は診断を確定するうえできわめて有用で,本稿ではその特徴的な画像所見と診断・治療法について概説する。
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