特集 Common disease となった潰瘍性大腸炎の現状と診療のコツ
1 .潰瘍性大腸炎の疫学,治療法の進歩,本邦の医療体制の問題点
穂苅 量太
1
,
東山 正明
1
,
成松 和幸
1
,
髙本 俊介
1
1防衛医科大学校消化器内科
キーワード:
高齢発症潰瘍性大腸炎
,
医療体制
,
専門病院
Keyword:
高齢発症潰瘍性大腸炎
,
医療体制
,
専門病院
pp.737-744
発行日 2022年6月20日
Published Date 2022/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002233
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潰瘍性大腸炎は本邦で1970年代以降急速に増加し,すでに世界2位の患者数になった.先に増加し始めた西欧では患者数がプラトーを迎える国もあり,本邦での増加の速度も今後緩やかになると期待される.一方,発症年齢別には高齢で発症する患者が世界的にも増加しており,しかも活動性が非高齢発症者よりも高い.高齢者潰瘍性大腸炎の治療には強力な免疫抑制療法が使いづらい,併存疾患が多いなどの問題がある.治療薬の選択肢は増加し,今後も増える予定である.内視鏡に代わる活動性を評価するサロゲートマーカーが開発されたが,治療予測のマーカー,治療中断のマーカー等はなく,複数ある治療法をどのように選択するか,課題となっている.
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