特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
4.開発中の肝再生医療(8)HGFを用いた肝再生医療の開発
谷山 央樹
1
,
熊谷 公太郎
1
,
井戸 章雄
1
1鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学
キーワード:
肝細胞増殖因子(HGF)
,
再生医療
,
急性肝不全
Keyword:
肝細胞増殖因子(HGF)
,
再生医療
,
急性肝不全
pp.1695-1699
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002036
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肝細胞増殖因子(HGF)は劇症肝炎患者血漿から単離された肝再生因子で,肝細胞などの上皮細胞以外にも血管内皮細胞,一部の間葉系細胞を標的とし,その特異的受容体c—Metを介して細胞増殖,細胞遊走,抗アポトーシス,抗線維化などの多彩な作用を発揮する.これまでわれわれはHGFの臨床応用を目指し,2002年7月に「HGF肝再生医療プロジェクト」をスタートさせ,医師主導治験で劇症肝炎への投与を行い,安全性を確認した.2015年からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)に引き継がれ,現在,健康な日本人ボランティアを対象とした組換えヒトHGFの第I相試験が終了した.今後,急性肝不全の治療薬としての応用が期待され,臨床試験を準備している.
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