特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
4.開発中の肝再生医療(7)肝星細胞に対するビタミンAを介した肝線維化改善療法の開発
小川 浩司
1
,
中井 正人
1
,
荘 拓也
1
,
須田 剛生
1
,
森川 賢一
1
,
坂本 直哉
1
1北海道大学病院消化器内科
キーワード:
肝星細胞
,
ビタミンA
,
HSP 47
,
BMS-986263
Keyword:
肝星細胞
,
ビタミンA
,
HSP 47
,
BMS-986263
pp.1690-1694
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002035
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肝硬変を根治させるには,肝内の線維自体を積極的に除去する治療法の開発が必要である.また近年,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を背景とする肝硬変が増加している.肝臓の線維化には肝星細胞(hepatic stellate cells;HSC)が深く関与していることが知られている.ND-L02-s0201/BMS-986263は,heat shock protein 47(HSP 47)に対するsmall interfering RNA (siRNA)をビタミンA含有リポソームに取り込ませ,活性化HSCへ特異的に送達する薬剤である.本邦における第Ⅰ相試験では,5週投与後の肝生検でMETAVIR,Ishakの線維化スコアの改善が認められた.2021年3月より,本邦を含む25カ国でNASH肝硬変を対象とした第Ⅱ相試験が開始されている.
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