特集 門脈圧亢進症に対する診療
巻頭言:門脈圧亢進症治療の今―近年の動向
國分 茂博
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1新百合ヶ丘総合病院肝疾患低侵襲治療センター/内視鏡センター
pp.1479-1480
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001992
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門脈は,肝臓と消化管の架け橋であり,消化器内科・外科・放射線科のすべての医師に関わりが深く,Axial CTを見るまでもなく腹部大動脈・下大静脈と並ぶ三本柱の一つともいうべき重要血管であると思われます.元より,門脈血行動態は正常では,上・下腸間膜静脈や脾静脈など腹腔内のすべての静脈血が集合して,門脈本幹→右枝/左枝→二次分枝→類洞に至る順行求肝性血流を呈し,肝細胞内で解毒を中心に多彩な代謝を司り,肝静脈に流出します.腸肝循環もこの経路を利用しています.しかし,なんらかの病因によりこの門脈経路のどこかに閉塞機転が生じ,門脈圧亢進をきたすと,肝内血管抵抗増大により肝内門脈血流は減少し,肝外門脈血流が増加して,逆行遠肝性血流となり,脾腫が生じ,食道胃静脈瘤・異所性静脈瘤に加え胃腎・脾腎・性腺静脈など肝外シャントが形成されます.
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