特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
胆石症,急性胆囊炎,急性胆管炎
桐山 勢生
1
1大垣市民病院消化器内科
キーワード:
急性胆囊炎
,
急性胆管炎
,
胆石症
,
診断
,
重症度
,
治療
Keyword:
急性胆囊炎
,
急性胆管炎
,
胆石症
,
診断
,
重症度
,
治療
pp.144-148
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228707
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胆石症は,消化器疾患の代表的なcommon diseaseの1つであるが,結石の存在部位により,胆囊結石,総胆管結石,肝内胆管結石に分けられる.胆囊結石の多く(60〜80%)は無症状で,治療(胆摘術)を行う意義は少ないとされている.また肝内胆管結石も近年は無症状例が増加しているが,肝内胆管癌や肝萎縮,胆道狭窄や拡張がなければ経過観察が推奨されている1).一方,総胆管結石に対しては,無症状であっても胆管炎のリスクがあり治療を行うことが推奨されている1).このように,胆石症は,実際に治療の対象となるのは,無症状で発見される一部の総胆管結石症例を除き,何らかの症状をきたした症例となるが,特に急性胆囊炎・胆管炎を併発すると,急性期に適切な対応が必要とされ,臨床的に重要な疾患といえる.
急性胆囊炎,胆管炎の診療ガイドラインは,本邦では2005年に日本語版第1版が発刊され2),2007年には日本発の国際版診療ガイドラインとして『Tokyo Guidelines 2007(TG07)』が発表された3).その後,新たなエビデンスに基づいてアップデートが重ねられ,さらに2013年にTG134),2018年にはTG18と改訂され5),それに従って日本語版も現在第3版に改訂されている6).
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