特集 胆道感染症の診断・治療
巻頭言:胆道感染症の重症度判定
露口 利夫
1
1千葉県立佐原病院消化器内科
pp.1107-1108
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001902
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急性胆管炎は消化器内科医に緊急内視鏡が要請される代表的疾患である.最新のガイドラインである「急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018」(TG18)では急性胆管炎の重症度は軽症(GradeⅠ),中等症(GradeⅡ),重症(Grade Ⅲ)に区分され,重症度が上がるほど胆管ドレナージの緊急性が増すようになっている.日本と台湾で行われた多施設共同観察研究によれば,TG13を基準にしたGradeⅡ急性胆管炎に対して24時間以内にドレナージが行われた944例の死亡率は,24時間以降のドレナージもしくはドレナージが行われなかった1,081例よりも有意に低かった(1.7% vs. 3.4%,P=0.0172).このことからTG13の有用性が検証され,重症度判定基準は変更されることなくTG18にも採用された.TG18/13では以下の5項目中2項目が該当するとGradeⅡと判定される.
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