消化管がん検診・スクリーニングの手引き
Ⅳ 大腸がん検診・スクリーニング ❹ 大 腸がんスクリーニング検査における注腸検査の現状
入口 陽介
1
,
小田 丈二
1
,
冨野 泰弘
1
,
依光 展和
1
,
岸 大輔
1
,
山村 彰彦
2
1東京都がん検診センター消化器内科
2東京都がん検診センター検査科
キーワード:
注腸
,
大腸がん
,
スクリーニング
Keyword:
注腸
,
大腸がん
,
スクリーニング
pp.966-972
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001871
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わが国の大腸がんは罹患数だけでなく死亡数も増加し続けていることから,がん対策基本計画では,大腸がん検診(便潜血検査2日法)の受診率を現在の30%前後から50%以上に,精検受診率を60%から90%に引き上げることを目標として掲げている.実際に受診率と精検受診率が改善し向上すると,精密検査として推奨されている大腸内視鏡検査は処理能力の限界となることは明白である.その際には,大腸内視鏡検査を中心に,大腸CT検査や注腸X線検査のそれぞれの特徴を生かして精密検査体制の構築が必要である.消化管X線造影検査は,バリウム造影剤と空気を用いて撮影者が画像を作っていく検査であり,それがX線造影検査の醍醐味である.そのなかで,注腸X線検査は,大腸全体の走行,形態,粘膜像を描出できることから,スクリーニング検査だけでなく精密検査としての役割を担うことが可能である.本稿では,大腸がん検診における注腸X線検査の特徴と撮影法,読影法について解説する.
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