特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴(5)カンジダ感染症
加藤 英明
1
1横浜市立大学附属病院感染制御部/医学部血液・免疫・感染症内科
キーワード:
カンジダ
,
深在性真菌症
,
カンジダ真菌血症
Keyword:
カンジダ
,
深在性真菌症
,
カンジダ真菌血症
pp.303-309
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001703
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カンジダは皮膚,粘膜面の常在菌であり,皮膚・粘膜バリア損傷もしくは重篤な細胞性免疫不全により全身感染症を起こす.口腔・食道カンジダ症などの表在性真菌症と,カンジダ真菌血症とそれに伴う播種性の深在性真菌症に分けられるが,とくに後者は時として予後不良であり早期診断と適切な治療を行う必要がある.中心静脈ラインの留置,広域抗菌薬の使用は侵襲性カンジダ症の発症リスクである.診断は血液培養によるカンジダの検出であり,血清マーカーとしてβ—Dグルカンも活用される.抗真菌薬の選択は菌名に基づいて行われるが,カンジダは菌同定,薬剤感受性試験が困難なことが多く微生物検査室との連携も求められる.近年では多剤耐性で伝播しやすいCandida aurisによる院内アウトブレイクが報告されている.
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