Japanese
English
症例報告
下腿潰瘍を呈した皮膚クリプトコックス症の1例
A case of deep cutaneous Cryptococcus presenting leg ulcer
佐々木 梓
1
,
桂 友理
1
,
長嶋 洋治
2
,
井畑 淳
3
,
上田 喬士
1
Azusa SASAKI
1
,
Yuri KATSURA
1
,
Yoji NAGASHIMA
2
,
Atsushi IHATA
3
,
Takashi UEDA
1
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科
2独立行政法人国立病院機構横浜医療センター臨床検査科
3独立行政法人国立病院機構横浜医療センター膠原病・リウマチ内科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
2Division of Clinical laboratory, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
3Division of Rheumatology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
キーワード:
カンジダ
,
深在性真菌症
,
Candida parapsilosis
,
Cryptococcus
Keyword:
カンジダ
,
深在性真菌症
,
Candida parapsilosis
,
Cryptococcus
pp.1025-1029
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206522
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要約 88歳,男性.リウマチ性多発筋痛症でプレドニゾロン,メトトレキサートを投与中,左下腿前面に紫斑を伴う暗紅色紅斑を認めた.紅斑の中央部に表皮剝離を認め,その直下には膿瘍を呈していた.細菌感染を考えセファクロルの投与を開始したが,紅斑は徐々に拡大し,びらんは長径10cm大の潰瘍となった.潰瘍辺縁の病理組織では,真皮内に多数の胞子が集簇していた.組織培養からはCandida parapsilosisが検出された.しかしながら,ムチカルミン染色やPAS-アルシアンブルー染色では莢膜が染色されたため,臨床像,病理組織像を踏まえ皮膚クリプトコックス症と診断した.抗真菌薬を投与したが,肺炎を合併し,初診から24日後に永眠した.深在性皮膚真菌症は稀な病型であるが,免疫抑制剤の使用者,高齢者の増加により,有病率は上昇していく可能性があり,注意が必要である.
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