これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅰ 撮像方法(経腹壁超音波および超音波内視鏡検査) ⑥超音波内視鏡下生検の基本
奥野 のぞみ
1
,
水野 伸匡
1
,
羽場 真
1
,
桑原 崇通
1
,
孝田 博輝
1
,
宮野 亮
1
,
原 和生
1
1愛知県がんセンター消化器内科
キーワード:
超音波内視鏡下生検
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
EUS‒FNB
,
EUS‒FNA
Keyword:
超音波内視鏡下生検
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
EUS‒FNB
,
EUS‒FNA
pp.930-934
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001260
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超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopicultrasound‒guided fine needle aspiration;EUS‒FNA)を用いた病理学的診断法は,1991年に原田・神津らによる実験的成功が世界に先駆けて報告され,1992 年にVilmann らによって初めて膵腫瘍に対し施行された.以後,高い診断能と安全性から,その有用性が数多く報告されてきた.本邦では2010年に保険収載されて以降,急速に普及し,穿刺対象は膵腫瘍のみならずリンパ節や粘膜下腫瘍など多岐にわたる.病変の鑑別診断,手術や化学療法施行前のエビデンス取得などの従来の目的に加え,2019(令和元)年6 月にはがん遺伝子パネル検査が保険適用となり,パネル検査への応用にも注目が高まっている.免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬が保険診療において使用できるようになり,ゲノム診療の胆膵癌への応用は加速しており,適正かつ十分量の検体を得ることが求められている.近年,EUS‒FNA は,組織診を意識して,超音波内視鏡下生検(endoscopicultrasound‒guided fine needle biopsy;EUS‒FNB)と呼ばれることも多くなっており,ゲノム診療に向けてもEUS‒FNB の必要性が高まってきているといえる.本稿では,EUS‒FNB の基本について述べる.
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