特集 消化器診療と感染対策―COVID-19を中心に
2.感染性消化器疾患診療における感染対策(3)肝臓感染症診療における感染対策
中西 裕之
1
,
黒崎 雅之
1
,
泉 並木
1
1武蔵野赤十字病院消化器科
キーワード:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
院内感染
Keyword:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
C型肝炎ウイルス(HCV)
,
院内感染
pp.431-436
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001734
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肝疾患における院内感染はおもに針刺しなどによる職業感染であり,ゴム手袋などの標準予防策に加えて,B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)対策が重要である.HBVワクチン投与後にHBs抗体を一度獲得した場合,以後HBV陽性血に曝露されても30年以上にわたってB型肝炎の発症予防効果が期待できる.一方でHCVに対してはワクチンや免疫グロブリンなどの感染予防策がなく,標準予防策で対応する.HCVに曝露された医療従事者は,曝露12~24週間後の時点でHCV-RNAを検査して陽性の場合は治療を検討する.一方で,HCV感染が確認されない状態での医療従事者に対するdirect-acting antivirals (DAAs)のHCV曝露後予防については現時点では推奨されていない.
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