特集 消化管疾患のER―診断と治療のポイント
7 .腸閉塞のCT 画像診断
島田 長人
1
,
澤野 貴亮
1
,
保坂 浩加
1
,
髙地 良介
1
,
皆川 輝彦
1
,
本田 善子
1
1東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病センター
キーワード:
急性腹症
,
腸閉塞
,
画像診断
,
CT
Keyword:
急性腹症
,
腸閉塞
,
画像診断
,
CT
pp.611-617
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001169
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腸閉塞の診療においてもっとも重要なことは,虚血腸管を見逃さないことと外科治療のタイミングを逸しないことにある.閉塞の原因や部位診断は必ずしも容易ではなく,CT 検査による単純(造影前),造影(動脈相+平衡相)の撮影が必要となる.単純性腸閉塞は,保存的治療が優先されるが,開腹術後の癒着以外に食餌性や小腸アニサキス症なども考慮する必要がある.一方,複雑性腸閉塞は,基本的に外科的治療を必要とする.なかでも大腿ヘルニアと閉鎖孔ヘルニア嵌頓は,初療の段階で見落とされる場合がある.中高年の痩せた女性を診たら必ずこのヘルニアを確認する必要がある.麻痺性腸閉塞では,上腸間膜動脈閉塞症や非閉塞性腸管虚血症などの血管病変の鑑別が重要である.
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