特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
巻頭言/粘液産生膵癌からIPMNへ―疾患概念の提唱と変遷がもたらしたもの
山雄 健次
1
1成田記念病院消化器内科
pp.1433-1438
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000962
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本邦では,今でこそ膵管内乳頭粘液性腫瘍,あるいはIPMN といえば,“ああ,あの疾患”とすぐに想起されるほど,その疾患概念が定着しているが,この疾患が“粘液産生膵癌”として世界に先駆けて日本で提唱されたことをご存知の先生は残念ながら少ない.“粘液産生膵癌”の歴史的変遷をできるかぎり正確に辿り,この疾患(概念)が現在の膵癌診療に大きく及ぼした影響について記述したいと思う.ただし,枚数の関係で引用文献を十分に記せないことをお許し願いたい.本稿の執筆に当たっては拙著である「粘液産生膵腫瘍」(医学図書出版,1989),「Atlasof Excrine Pancreatic Tumors」(Springer-Verlag, 1994),「膵囊胞性疾患の診断」(医学書院,2003)を参考にした.
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