特集 消化器ステント留置
巻頭言
前谷 容
1
1東邦大学医療センター大橋病院消化器内科
pp.1193-1196
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000902
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消化器領域におけるステントの歴史は長く,食道では1800年代から木材や骨で作製されたステントの留置が試みられたが,ほとんど留置に成功していなかった.今日の発展はステントテクノロジーの進歩によるところが大きく,いくつかの段階を経て現在に至っている.なかでも中心的役割を果たしたのは self‒expandable metallic sten(t SEMS)であり,その開発により狭窄治療は大きく変貌した.さらにさまざまな改良が図られ,ステント治療は著しく容易かつ安全に行えるようになった.現在では悪性狭窄に対する治療として優れた成績が示されているが,一方でその問題点も浮き彫りになってきた.消化器各領域のステントの各論の前に,まず現在直面している消化器系ステントにおけるおもな課題について整理してみたい.なおステントは瘻孔閉鎖や静脈瘤止血などさまざまな目的でも用いられているが,本稿では狭窄治療に限定して述べる.
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