炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅳ 炎症性腸疾患の診断 ①潰瘍性大腸炎の診断基準
平井 郁仁
1
1福岡大学筑紫病院炎症性腸疾患センター
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
診断基準
,
内視鏡所見
,
inflammatory bowel disease unclassified( IBDU)
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
診断基準
,
内視鏡所見
,
inflammatory bowel disease unclassified( IBDU)
pp.774-778
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000799
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)は,クローン病(Crohn’s disease;CD)とともに非特異的慢性炎症性腸疾患として知られており,未だ根本的な原因は不明である.本疾患は1973 年に当時の厚生省により難治性慢性疾患として特定疾患の指定を受けた.潰瘍性大腸炎調査研究班がほぼ同時期に設立されたが,現在は,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(以下,研究班)として,CD や他の難治性腸管障害を含めた難治性疾患に対象を広げ,日本の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)の診療や研究を主導している.本邦におけるUC の診断基準は1974 年に研究班主導により提唱されたものを嚆矢とし,その後に改訂が繰り返され,現在の診断基準1)に至っている.ここでは,UC の定義,診断手順,診断基準の内容,病型・活動度・重症度に関する記載や運用上の留意点について概説したい.
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