消化管ポリポーシス-診断と治療の進歩
消化管ポリポーシスの分類と特徴
田村 和朗
1
,
冨田 尚裕
1近畿大学 理工学部生命科学科
キーワード:
Peutz-Jeghers症候群
,
過誤腫症候群-多発性
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
変異
,
分類
,
mutY Adenine Glycosylase
,
若年性ポリポーシス
,
POLE Protein
,
POLD1 Protein
Keyword:
Classification
,
Hamartoma Syndrome, Multiple
,
Peutz-Jeghers Syndrome
,
Mutation
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
MutY Adenine Glycosylase
,
POLE Protein, Human
,
POLD1 Protein, Human
,
Juvenile Polyposis Syndrome
pp.233-242
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016299277
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消化管に多数のポリープを伴うentityの中で遺伝性消化管ポリポーシスは原因遺伝子の生殖細胞系列遺伝子によって生じる.臨床的に類似した病態であっても遺伝的異質性があり,分子分類が重要になってきた.当初は良性であるが,大腸癌や他の消化管癌,消化管外発癌のハイリスク状態にある.家族性あるいは遺伝性消化管ポリポーシス(gastrointestinal polyposis)は腺腫性ポリポーシス(adenomatous polyposis),ポイツ・ジェガーズ症候群(Peutz-Jeghers syndrome),若年性ポリポーシス(juvenile polyposis),カウデン病(Cowden disease)が含まれる.腺腫性ポリポーシスあるいは多発腺腫症の原因遺伝子はAPC,MUTYH,POLE,POLD1である.過誤腫性ポリポーシスを伴うポイツ・ジェガーズ症候群,若年性ポリポーシス,カウデン病の原因遺伝子はぞれぞれSTK11,SMAD4あるいはBMPR1A,PTENである.これらの原因遺伝子の異常が特徴的な病態や癌化と関連していることが明らかにされた.本論文で6種類の消化管ポリポーシスとその原因遺伝子ついて概説した.
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