遺伝性大腸癌の診断と治療の進歩
家族性大腸腺腫症 MUTYH関連ポリポーシス(MAP)の診断・治療
田村 和朗
1
,
浜中 美衣
,
山野 智基
,
松原 長秀
,
冨田 尚裕
1近畿大学 理工学部生命科学科
キーワード:
回腸造瘻術
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
変異
,
回腸嚢肛門吻合術
,
遺伝学的検査
,
大腸腺腫様ポリポーシスタンパク質
,
大腸切除
,
mutY Adenine Glycosylase
,
回腸直腸吻合術
Keyword:
Genetic Testing
,
Ileostomy
,
Mutation
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Proctocolectomy, Restorative
,
Adenomatous Polyposis Coli Protein
,
MutY Adenine Glycosylase
pp.453-460
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014036937
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一部の大腸腺腫症候群の発症にMUTYH遺伝子の両アレル変異が関わっていることが明らかにされ,MUTYH-associated polyposis(MAP)と命名された.罹患者はポリープ数が少ない傾向と,比較的高齢で大腸癌に罹患する特徴が指摘されている.MUTYH遺伝子は酸化DNA障害の除去修復機構に関わるglycosylaseをコードしており,その機能異常は他臓器腫瘍の合併も懸念される.大腸腺腫症は遺伝的異質性の存在する疾患であることが明らかとなり,患者および血縁者の生涯にわたるサーベイランスを考えるとき,遺伝子情報が重要と考えられる.
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